コインゲーム(4)

m=2のとき

すなわち、
1枚コインをかけて当たったら2枚戻ってくるとき。
リターン率が同じなら、その分当たる確率が減る。


当たりがx回、ハズレがy回だったとき、
最初のコインがN枚なら、
コインの枚数は

N + x - y

となる。
これが最初に0になるまでに何回かかるかを調べる。
n回かかる確率は、

P(n) = Dx,Npx(1-p)x+N

ここで、

Dx,N

は、平面座標(0, 0)から右または上に1ずつ歩いて、
直線 y = x + N に、(x, x + N)ではじめてぶち当たる経路の数。


図がないので分かりにくいが、
これは、カタラン数を求めるときに似ている。


http://www.bun-eido.co.jp/textbook/sjournal/sj22/sj224654.pdf#page=8


う〜ん、ネット探っても求めているものが出てこない。


直線が y = n で、
ぶちあたってもいいが上に抜けてはいけないのがカタラン数。
その母関数を F と書くことにする。
今回求めたいもので、N=0 のときの経路の数の母関数をGとする。


母関数とは、
数列をまとめて扱うためのもの。
例えば、

an = n + 1 (n = 0, 1, 2, ...)

という数列の母関数は、

1 + 2x + 3x2 + ...

これは、

1/(1-x)2 = 1 + 2x + 3x2 + ...

と書ける。

1(1-x) = 1 + x + x2 + ...

微分すればよい。
だから、先の数列は簡単な関数の形で書ける。
こうすると非常に計算が楽になることが多い。


Cn を (0, 0) から上へ突き抜けない (n, n) への経路の数、
Dn を (0, 0) から y = x に当たらない (n, n) への経路の数とする。


Cn は、(n, n) までに y = x をさわった地点で場合分けできる。
n = 3 なら、
途中で一度もさわらない、
(1, 1) でさわった、
(2, 2) でさわった、
両方でさわった、
の4通りに分けられる。
最初の経路の数は D3
次の経路の数は D1D2
その次の経路の数は D2D1
最後の経路の数は D1D1D1
合わせると、

C3 = D3 + D1D2 + D2D1 + D1D1D1

これら全てを母関数を使って書くと、

F(x) = 1 + G(x) + G(x)2 + ...

(最初のほうを展開してみると分かる)
よく考えると、

Dn+1 = Cn

すなわち、

G(x) = xF(x)

これより、

G/x = 1/(1-G)
G^2 - G - x = 0

これを解いて、

 \Large G(x) = \frac{1 - \sqrt{1 - 4x}}{2}

(+のほうだと展開して定数項が2となりまずい)
これと同じように Dx,N を求める。


また分かりにくいものを書いてしまった。
この項、つづく。