コインゲーム(8)

mが3以上のとき

いよいよ、当たりの種類は1つなれど
一般的な場合を考える。


当たりの回数をx、外れの回数をyとして、
最初に持っているコインの数をNとすると、
当たりだとm個のコインが戻ってくるから、
コインの枚数は、

N + (m - 1)x - y

だから、
原点から、直線 y = (m - 1)x + N 上の格子点、
(x, N + (m - 1)x)への経路で、
直線に途中で一度も触らないものを数え上げればよい。


何度触ってよいが突き抜けない経路の数の母関数をFN
途中で触らない経路の数の母関数をGNとする。
FNを考えるときに、
例によって、最初に触るまでとそのあとを分けて考えると、
F0 = F、G0 = G と書いて、

F - 1 = GF
FN = GNF (Nは0以外)

また、

GN = FN-1 (Nは0以外)
F1-m = xF

より、

xFm - F + 1 = 0
GN = FN

であることが分かる。


(k, N + (m - 1)k) への経路の数を ak とすると、
ここではじめて直線に到達する確率は、

q = p(1-p)m-1

とおいて、

akpk(1-p)N+(m-1)k
= (1-p)Nakqk

だから、

f(x) = (1-p)NF(x)N

とおくと、
確率の総和は、

f(q)

となる。
これが1になるはずだから、

F(q) = (1 - p)-1

となるはずである。
実際、

xFm - F + 1 = 0

にこれを代入してみると、式がなりたつことがわかる。
ただし、F には m 個あるはず。
その中で F(q) = 1 / (1 - p) となる F を取る、
とここは解釈しよう。


平均を求める。

<X> = N + mqf'(q)

ここで、

f' = N(1 - p)NF'FN-1
f'(q) = N(1 - p)F'(q)
Fm + mxF'Fm-1 - F' = 0
(1 - p)-m + mqF'(q)(1 - p)-m+1 - F'(q) = 0
 F'(q) = \frac{1}{(1-p)^m(1-r)}
 mqf'(q) = \frac{Nmp}{1-r}

より、

 &lt;X&gt; = \frac{N}{1-r}


この項、つづく。