ツリー状の自然数の列(6)

距離が同じ自然数の数を推定する。


例えば、距離10の自然数は、


24 26 160 168 170 1024

の6つと数えられるが、
これを距離の関数の近似として表したい。
そのため、確率的に考える。


1から2倍ずつして辿っていく並びを本流、それ以外を支流と呼ぶ。
例えば、16から5←10←という支流がある。
また、10から3←6←という支流がある。
距離がmのところからの支流から距離nになる自然数の個数を
bmと書くと、
そのまま2倍していくと辿りつくのが1つ、
距離m+2から偶数になるので、そこから支流が出る可能性がある。
ただし、m+1で3の倍数だと支流は出ない。
また3の倍数でない場合、支流は1つおきに出る。
だから、

 b_m = 1 + \frac{1}{3}(b_{m+2} + b_{m+4} + \cdots) + \frac{1}{3}(b_{m+3} + b_{m+5} + \cdots)
 = 1 + \frac{1}{3}(b_{m+2} + \cdots + b_{n})
 b_{n-1} = b_n = 0

これを解くと、

 b_m = \frac{3}{\sqrt{21}}((\frac{-3+\sqrt{21}}{2})^{m+1-n}-(\frac{-3-\sqrt{21}}{2})^{m+1-n})

距離nの自然数の総数snは、

 b_4 + b_6 + \cdots + b_n

となるが(nが偶数の場合)、
nが大きいとき支配的なのは、

 \frac{\frac{3}{\sqrt{21}}((\frac{-3+\sqrt{21}}{2})^{5-n}}{1 - (\frac{-3+\sqrt{21}}{2})^2}

よって、

 \frac{s_n}{s_{n-1}} \sim (\frac{-3+\sqrt{21}}{2})^{-1} = \frac{3 + \sqrt{21}}{6} = 1.26376\cdots

となる。