行列式の計算(3)

定義の説明が済んだので、行列式の計算がやっとできる。

 A = \begin{pmatrix} a_{11} & a_{12} & a_{13} \\ a_{21} & a_{22} & a_{23} \\ a_{31} & a_{32} & a_{33} \end{pmatrix}

行列式を定義に沿って計算する。
S3の要素は、

e, (1 2), (1 3), (2 3), (2 3 1), (3 1 2)

互換の符号は-1、(2 3 1) = (1 3)(1 2)、(3 1 2) = (2 3)(1 2)だから、残りは-1。eは何も変えないから、これに対応する項は、a11a22a33。σ=(1 2)なら、σ(1) = 2、σ(2) = 1だから、-a12a21a33。このようにしていくと、

 |A| = a_{11}a_{22}a_{33} - a_{12}a_{21}a_{33} - a_{13}a_{22}a_{31} - a_{11}a_{23}a_{32} + a_{12}a_{23}a_{31} + a_{13}a_{21}a_{32}

となる。
しかし、この方法だと、n×nの行列を求めるのに、Snの要素の個数がn!。だから、O(n!n)の計算量が要ることになり、nが大きいと莫大なコストがかかる。